アスペルガー症候群(ASD)の特性を持つ夫との生活は、理解と工夫が必要な場面が多くあります。私が結婚した夫は、とても真面目で誠実な人ですが、幼い頃から片付けや整理整頓が苦手でした。結婚当初は、私が率先して家事をこなしていたのですが、次第に物が溜まり始め、気がつけば部屋の一部が足の踏み場もない状態になっていました。夫に片付けを促しても、「これはまだ使える」「いつか必要になる」と言って、なかなか物を捨てようとしません。私は、ゴミ屋敷のような家の中で生活することにストレスを感じ、夫に対して不満をぶつけてしまうこともありました。しかし、夫は、私の気持ちを理解しようとせず、「うるさい」「神経質だ」と反論してくるため、夫婦喧嘩が絶えませんでした。そんなある日、インターネットでアスペルガー症候群(ASD)について調べていると、夫の行動パターンとよく似ていることに気づきました。アスペルガー症候群(ASD)の特性の一つに、特定の物事への強いこだわりや、変化への抵抗があることを知り、夫の行動の理由がわかったような気がしました。アスペルガー症候群(ASD)について学んだ私は、夫への接し方を変えることにしました。まず、夫の気持ちを理解しようと努め、頭ごなしに叱ったり、無理強いしたりするのをやめました。次に、具体的な指示を出すようにしました。「部屋を綺麗にしなさい」という抽象的な指示ではなく、「この箱の中の物を、種類別に分けて、引き出しに収納してください」というように、具体的でわかりやすい指示を出すように心がけました。さらに、夫の良いところを褒めるようにしました。小さなことでも良いので、片付けの成果を褒め、励ますことで、夫のモチベーションを高めることができました。そして、何よりも大切なのは、夫婦でコミュニケーションを密にすることです。お互いの気持ちを理解し、尊重することで、より良い関係を築くことができました。数ヶ月間の努力の結果、我が家は見違えるほど綺麗になりました。夫も、以前より積極的に片付けをするようになり、綺麗な部屋を維持できるようになりました。
アスペルガー症候群(ASD)の夫を持つ妻が語る、ゴミ屋敷脱出と円満夫婦生活の両立術