ゴミ屋敷の片付けを自力で行うことは、経済的な負担を軽減できるというメリットがある一方で、様々な困難が伴います。特に、長年ゴミ屋敷に住んでいた人にとっては、心理的な障壁が大きく、なかなか片付けが進まないというケースも少なくありません。まず、自力片付けで陥りやすい落とし穴として、完璧主義が挙げられます。「どうせ片付けるなら、完璧に綺麗にしたい」という気持ちが強すぎると、なかなか片付けに着手できなかったり、少しでもうまくいかないとすぐに諦めてしまったりすることがあります。完璧主義を克服するためには、「完璧」を目指すのではなく、「まずまず綺麗」を目指すことが大切です。完璧な状態を目指すのではなく、少しでも現状を改善するという意識で、気楽に片付けに取り組みましょう。次に、物を捨てることへの抵抗感も、大きな障壁となります。「まだ使えるかもしれない」「いつか必要になるかもしれない」という気持ちが強く、なかなか物を捨てられないという方も少なくありません。物を捨てることへの抵抗感を克服するためには、「捨てる基準」を明確にすることが重要です。例えば、「1年以上使っていない物は捨てる」「壊れている物や、使えなくなった物は捨てる」など、具体的な基準を決めて、それに従って物を捨てるようにしましょう。また、過去のトラウマや喪失体験も、ゴミ屋敷化の原因となっている場合があります。物を溜め込むことで、過去の辛い記憶や感情を忘れようとしたり、失ったものを取り戻そうとしたりすることがあります。過去のトラウマや喪失体験が原因でゴミ屋敷化してしまった場合は、無理に片付けを進めるのではなく、専門家のカウンセリングを受けることを検討しましょう。カウンセリングを通じて、過去のトラウマや喪失体験と向き合い、心の整理をすることで、片付けが進めやすくなります。さらに、片付けの途中で、過去の思い出の品が出てきて、手が止まってしまうこともあります。思い出の品を捨てるかどうか悩んでいるうちに、片付けが進まなくなってしまうというケースも少なくありません。思い出の品を整理する際には、時間をかけて、一つ一つ丁寧に見ていくことが大切です。写真に撮ったり、日記に書いたりして、思い出を記録に残すのも有効です。