ゴミ屋敷と精神疾患には深い関係があることが多く、単に「片付けが苦手だから」というだけでは片付けられないケースも少なくありません。ゴミ屋敷化してしまう背景には、心の問題が潜んでいることがあり、物を溜め込んだり、片付けられなくなったりする原因として、何らかの精神的なストレスや疾患が影響していることが考えられます。 まず、うつ病などの精神疾患にかかると、日常の基本的な活動が難しくなり、片付けや掃除に取り組む気力が湧かなくなることがあります。うつ状態では、疲労感や無気力感が強く、ただ日々を過ごすことさえ困難になることが多いです。このような状況では、部屋の掃除や片付けをする気力が全く湧かず、物が溜まり続け、ゴミ屋敷のような状態に発展してしまうことがあります。 また、強迫性障害（OCD）や収集癖（ホーディング障害）も、ゴミ屋敷化の大きな要因となります。これらの障害は、必要以上に物を溜め込み、捨てることに強い不安や恐怖を感じる特徴があります。捨てることができないために、使わない物でも手放せず、家にどんどん物が積み重なっていきます。このような場合、本人にとっては物を持っていることで安心感が得られますが、結果として生活が圧迫され、家が物で埋まってしまうのです。 ゴミ屋敷と精神疾患の関係は、単に片付けの問題を超えて、心のケアが必要なことを示しています。ゴミ屋敷を解消するためには、まず心の健康状態を見つめ直し、必要であれば専門の医療機関に相談することが大切です。精神的な問題を解決せずに無理に片付けようとすると、かえってストレスを増大させ、再びゴミ屋敷に戻ってしまう可能性もあります。 精神疾患によるゴミ屋敷化は、本人だけでなく周囲のサポートも重要です。家族や友人が状況を理解し、寄り添いながら支援することで、少しずつ改善への道が開かれていくことがあります。心のケアと適切なサポートが、物理的な片付け以上にゴミ屋敷からの脱却に必要です。