「ゴミ屋敷」という言葉は、一般的に使われていますが、明確な定義や、基準があるわけではありません。この記事では、どのような状態を「ゴミ屋敷」と判断するのか、客観的な基準を設けるために、ゴミの量、悪臭、害虫、生活空間の有無という4つの観点から解説します。まず、ゴミの量についてです。ゴミの量が、明らかに生活空間を圧迫している状態は、ゴミ屋敷と判断される可能性が高いです。具体的には、床が見えない、足の踏み場がない、ドアが開閉しにくいなど、日常生活に支障をきたすほどのゴミが堆積している状態が該当します。ただし、ゴミの量だけで、判断することはできません。たとえ、ゴミの量が少なくても、他の要素と組み合わさることで、ゴミ屋敷と判断されることもあります。次に、悪臭についてです。ゴミが腐敗したり、カビが繁殖したりすることで発生する悪臭は、近隣住民に迷惑をかけるだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあります。悪臭が、住宅の外まで漏れ出ている場合は、ゴミ屋敷と判断される可能性が高いです。そして、害虫についてです。ゴミの中に、ゴキブリや、ネズミ、ハエなどの害虫が大量に発生している場合は、衛生状態が著しく悪い状態であり、ゴミ屋敷と判断される可能性が高いです。害虫は、病原菌を媒介するため、健康被害を引き起こす可能性があります。さらに、生活空間の有無についてです。居住スペースが、ゴミによって占拠され、人が生活できる空間がほとんどない状態は、ゴミ屋敷と判断される可能性が高いです。例えば、ベッドで寝ることができない、キッチンで料理ができない、トイレが使用できないなど、日常生活に必要な行為が、満足に行えない状態が該当します。これらの4つの要素を総合的に判断し、社会通念上、常軌を逸脱した状態を、「ゴミ屋敷」と判断することができます。