ゴミ屋敷化は、単に、整理整頓が苦手というだけでなく、様々な心理的な問題を抱えていることが原因となっている場合があります。ここでは、ゴミ屋敷化の背景にある、主な心理的要因として、愛着障害、強迫性障害、セルフネグレクトについて解説します。まず、愛着障害についてです。愛着障害とは、幼少期の虐待や、ネグレクトなどの経験によって、人との間に、安定した信頼関係を築くことが難しくなる障害です。愛着障害の人は、人との繋がりを避ける傾向があり、孤独感を抱えやすいため、セルフネグレクトに陥りやすく、ゴミ屋敷化してしまうことがあります。次に、強迫性障害についてです。強迫性障害は、特定の考えや、行動を繰り返してしまう精神疾患であり、物を捨てることができないという症状が現れることがあります。強迫性障害の人は、物を捨てることに強い不安や、罪悪感を感じてしまい、物をため込んでしまうため、ゴミ屋敷化してしまうことがあります。また、強迫性障害の人は、特定の場所に、物をきちんと並べていないと気が済まないという症状が現れることもあり、その結果、部屋全体が、物で溢れかえってしまうことがあります。そして、セルフネグレクトについてです。セルフネグレクトとは、自分の健康や、安全を維持するための行動を、意図的に、または無意識的に放棄してしまう状態のことです。セルフネグレクトに陥ると、身の回りのことを、おろそかにしてしまうため、ゴミを片付けることや、掃除をすることなどを放棄してしまい、ゴミ屋敷化してしまうことがあります。これらの心理的な要因は、単独で作用するだけでなく、複合的に絡み合って、ゴミ屋敷化を引き起こすことがあります。